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ちかの声色模様♬

関西で声のおしごとをしています。石井ちかのブログです。

自分にとって耳ざわりのいいことを言ってくれる人が、本当に優しい人とは限らない

おもうこと わたしのこと

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その昔(20代前半)
ラジオのONAIRデビューを、まだ果たせていなかった私はアンパンマンセーラームーンなどの
キャラクターショーの司会などをしながら
ラジオ局で、ADのお仕事もしていた時期がありました。

私より、うんと年上のタレントさんから
私と同い年くらいのタレントさんまで様々な方々を
ガラス1枚を隔てて「いつか、私も向こう側に行ってマイクの前でしゃべりたい!」と思いながら見つめていたことも
懐かしい思い出です。

スタジオの外と中を分けるのは
たったガラス1枚なのですが
その隔たりが、とてつもなく怖く感じたことも…。

ADだった私は
番組担当ディレクターさんの横についているわけですが
ブースの中で、タレントさんがしゃべりながら、ガラスの向こう側の私達に顔を向けてこられると、笑顔でタレントさんのトークに頷いたり、気持ちよくしゃべってもらえる様にリアクションをとります。(AD の私は特に)

その横で、プロデューサーさんやディレクターさんは
「はぁー。この我儘なおじさんに、なんで俺らは振り回されなあかんねん」
「いつまで、うちが面倒見ないといけないんでしょうね。そろそろ、別のチームで引き取ってくれたらいいのに」
「次の改編で、絶対にしゃべり手変えよう」
とか
「このタレント、いつまで経っても上手なれへんな。一緒に仕事するのキッツいわ」
「ほんまですね。知り合いの事務所に、もっとしゃべりが出来るタレント居てますから今度紹介しましょうか?」
「そうやなぁ。そしたら、その子のプロフィール1部もらっといてくれる?」などといった辛辣なことを
ブースの中のタレントさんに向かって
満面の笑みで話されているのです。

そんなことを言われてるなど、露ほども思っていない
タレントさん方は、気分良くトークをされ
番組が終わると、何事も無かったように
「△△さんのトークは流石ですねー!今日も爆笑させてもらいましたわ。なぁ、ちかちゃん?」(えっ?ここで私に振ってくるんですか?と思いつつ、笑顔でその場をやり過ごすADちか…)「〇〇ちゃん、お疲れー!今日も良かったわ」と当たり障りない挨拶をして、お開きというのがいつもの定番。数ヶ月経ったころ改編期が訪れると、そのタレントさん方は降板となり、新しいタレントさんで新しい番組がスタートすることになりました。

「ちかちゃんは、確かラジオDJになりたいって言うてたな。こんな嫌なとこ見たら、もう辞めとこうかなとか思うやろ?」
「いっそDJになるの辞めて、このまま作り手側になるか?」
「もし俺達が、ちかちゃんをしゃべり手で使うことがあったとして、あのタレント達みたいな感じで仕事してたら、ちかちゃんにもきっと同じようなことするで」

ここまでだけを読むと
プロデューサー、ディレクターって何様?
と思われそうですが、そうなるまでに
タレントさん方にも、やはり原因はあったのです…。

 **********************
年配のタレントさんは
※ 時間にルーズだったり、収録スケジュールを
突然変えたりなど身勝手な行動が続いた。

※ 事前にFAXで送っている資料に全く目を通されず
『初見で大丈夫やから!』と仰るものの適当になり
イベントの開催場所や開催日時、電話番号なども間違われ、その都度止めないといけないので収録時間がどんどん伸びる。

※ スタッフの都合や気持ちを省みず公私混同な行動が多くなり、周りが困っていることに全く気がつかなかった。

※ スタッフの不満も限界に達し「これ以上無理」という結論に達したため降板。

 
若いタレントさんはというと
※ プロデューサーやディレクターの指示に従わなかった。
「語尾を上げるクセを直せ!」と何度言われても直さない。
「注意されたその時だけじゃなく、自分でも地名や人名の読み方を調べたり確認しろ!」と何度注意されてもやらない。
「タイムキープが出来るようになれ!」と言われ続けても『出来ないんですよねー』と言ってやらない。なので生放送の番組には使ってもらえない。

これが決定打になったんだろうなと感じたのは
「いつまでも原稿を読んでるようなトークをするなって注意しても『わかってるんですけど、どうしたらいいかわからないんですよねー』じゃ、何も変わらへんやろ?
自分がしゃべってるONAIRをリアルタイムで聴くんや。
それが無理なら、毎回、同録を持ち帰って聴き倒して
客観的にどこを直したらいいか自分のトークを研究してみ?」とアドバイスをされたとき、そのタレントさんは
『でも、ONAIRとかで自分のトーク聴くと気持ち悪いわ胃が痛くなるわで、吐きそうになるんですよねー(笑)』
と言ったのです。

その言葉を聞いた瞬間
ヤバい、絶対ディレクターさんから超ド級の雷が落ちる。
と身構えていた私でしたが、予想とは異なり
「そうかぁ。気持ち悪くなって胃が痛くなるんやったら、しょうがない。〇〇ちゃんの体調の方が大事やからな。んじゃ気をつけて帰りやー、お疲れさま」と。
ディレクターさんは
「ちかちゃん。努力もせずに言い訳ばっかりするタレントがどんな風になるか、これからしっかり見とくんやで」と私に微笑まれたあと、プロデューサーさんと2人で暫く話し込まれていました。
その日以来、プロデューサーさんも、ディレクターさんも
そのタレントさんに注意をしたりアドバイスすることは一切無くなり「いいよ。いいよ。(なんでもいいよ)」状態に。そして改編期と同時に降板。

そんな諸々を間近で見てきた私に
プロデューサーさんとディレクターさんは
「せっかく掴んだチャンスでも、長年続いてきた番組であったとしても、自分の行動、言動ひとつで無くなる時は簡単に無くなるんやで」

「怒ったり、アドバイスしたりするのって、ほんまにエネルギー使ってるんやけどな…。タレント本人に向上心が無いんやったら、もう何も言う必要無いなって思うのが人間やん?怒らずに、いいよ。いいよ。言ってる方が楽やしな」

「ちかちゃんも本格的に仕事をするようになった時、ディレクターの虫の居所が悪くて怒られることもあるやろう。でもな、ちかちゃんのアカンところを何度も何度も根気強く注意してくれる人に出会ったら、その人は本気で上手くなってほしいと思ってる証拠や。そのときは、ちかちゃんも本気で応えて結果出すんやで」
など、本当にたくさんのアドバイスを頂きました。
にもかかわらず、ようやくラジオでしゃべり手として仕事ができるようになったのに、まぁまぁ早い段階で降板させられる経験をすることになるのですが…。
詳しくは、こちらにて語っております。よろしければご一読くださいませ。
 恩師との思い出 - ちかの声色模様♬

もしも明日、今の仕事が無くなったとしても後悔しませんか? - ちかの声色模様♬

自分にとって耳ざわりのいいことを言ってくれる人が
本当に優しい人とは限らないし
自分にとって耳の痛いことを言ってくれる人が
必ずしも厳しい人とは限らない。

だけど、残念ながら本当に意地悪な人もいる…。

難しいけれど
本質を見極める洞察力や直感力
これからも磨き続けていきたいです。